籔裏行政書士事務所　ブログ出張所

会社とは、出資した人の集まりであり、
出資した人とは別の法人格が認められるものです。
これにより、会社はまるで人のように権利を得、
義務を負うことになるのです。

会社を作るメリットは何でしょうか。
メリットとして考えられるものを下に挙げています。

?信用力がある
　これが１番のメリットかも知れません。
　個人事業と比べると、対外的な信用力が違います。
　特に融資の場面では、大きな違いが出てきます。 crimpri.com

?税制面
　よくテレビなどで芸能人の方が、税制面で会社を作っているという話を聞くと思います。
　高額所得者になった場合、累進課税になっていない会社の方が有利です。
　また、経費が計上しやすいというメリットもあります。

?債務責任の有限性
　個人事業の債務責任は無限です。
　これに対し、株式会社・有限会社の株主・社員は、
　その出資に応じた責任を負うのみです。
　ただし、融資を受ける場合に個人補償を要求されることがあります。

?事業の継続性
　個人事業は、事業はすべて、その事業主に依存しています。
　つまり、事業主が死亡、もしくは事業ができなくなると
　事業は終了してしまいます。
　会社であれば、解散しない限り事業が継続されます。

?青色欠損金を５年間控除できる
　青色申告をしていれば、赤字が出た場合、その赤字を翌期に繰り越しできます。
　その期間が個人事業が３年であるのに対し、会社であれば、５年になります。

会社には４つの種類があります。
会社への出資の仕方、事業の性質、取引先との関係などから、
もっとも適した会社形態を検討する必要があります。

株式会社と有限会社の違いを表にしてみました（下記）。
表を見て頂ければ、わかると思うのですが、
株式会社と有限会社はかなり近しい組織になっております。
１つ違うのが、株式会社が大規模な事業を予定しているのに対し、
有限会社がそれほど大規模な事業を予定していないことです。
ただし、有限会社の資本金に上限はなく、
明確な色分けはできないと言えるのではないでしょうか。

では、株式会社と有限会社、どちらを設立すべきなのでしょうか？
これは、もうその個々の事情に依るとしかお応えできません。
（個々のご事情をご相談下さい。…→メール相談）
確かに、一般的には株式会社の方が信用があることは
否定できないと思います。
しかし、開業当初に資金面と相談して、
無理に株式会社を設立する必要はないと思います。
また、有限会社であれば（資本金が1,000円以上の場合は除く）、
設立から２年間（２期）は、消費税の免税事業者になれます。
（『消費税の新設法人に該当する旨の届出書』の届出要）
つまり、創業から２年間は消費税の納付を免除される。
これは、とかく資金が不足しがちな創業時には
大きなメリットといえると思います。
もちろん、取引先との関係で株式会社でないといけない
といったケースも考えられます。
また、事業内容により一定以上の資本金が必要になるケースもあります。
（例：建築業許可−資本金500万円以上必要）
そのため、資金面や事業内容などから総合的に検討する必要があります。

平成15年度税制改正により消費税法の一部が改正されました。
今まで、課税期間の売上げが、3,000万円に満たない
法人・個人事業者は免税事業者になっておりましたが、
その金額が1,000万円に引き下げられました。
平成16年4月1日から適用となっています。
（個人事業者は平成17年1月1日から）
これまで免税事業者だった法人・個人事業者の方で
今年度の売上が1,000万円を超えそうなかたは、
課税事業者として準備を始めた方がいいと思います。